…

結江くんへ。

道は…決まってないよ。

不幸が決まってる道も……平穏が約束されてる道も…
この世界にはないんだよ。

だから、１歩１歩が意味あるんだよ…人は。


…結江くんを好きになって、その人は…不幸だったかな？
俺は、その人じゃないから断言出来ないけど…きっと、幸せだったんじゃないかな？

頭を撫でるのが……手をつなげるのが……甘えてもらえるのが…
嬉しかったんじゃないかな？

だって、結江くんの事、好きだったんだから。


今…現在結江くんを好きな…アザや、俺や…皆…
例えこの先悲しいことになっても、結江くんを好きになったこと後悔しない。

好きにならなければ、なんて思わない。

結江くんが傷つく事から、全力で守る
立ってられなくて崩れそうなら、全力で支える
逃げ出したくてたまらない時は、ここで待ってるから…いつでも逃げてきて。


そろそろ、幸せになっても良いと思うんだ。
昔の辛いことずっとずっと思ってきたなら、そろそろ…今ある幸せで塗り替えても良いと思うんだ。
「特別なんていらない」、なんて言わないで…。
もう、結江くんはアザや俺や…誰かにとっては「特別」なんだから。


きっと、今身近に差し出された手は……すごく温かいはずだよ。